<攻めの漫画文化活動の記録:by・SK企画>
【第17回配本】 ■ドキュメンタリー『それは新荘川からはじまった・・・』 副題:追手筋の「日曜市軒先まんがギャラリー」が生れるまで ◆広報、マスコミ対策活動 こうした企画は、やはりいかにマスメディアをうまく使うかによって成否が分かれる。 平成17年12月はじめ、RKCラジオのレポ-タ-が木曜市で、市川さんの漫画を偶然見つけた。日曜市にも出品している店主がこの木曜市の軒先にも飾っていたのを目ざとく発見し、市川さんの自宅を苦労して探り当て、直接取材してくれたのである。 そして市川さんは、これまでの漫画を通じた社会貢献活動、ひろめ市場での漫画展、日曜市に掛ける自らの企画構想、現在のモニタ-中の事情を諄々と説き、デレクタ-からもすばらしい発想と激励を受けたのである。広報に向けて幸先は良かった。 さて、呼び掛けて集まった県下のアマチュア漫画家約30人の作品110点ほどが、日曜市の軒先に飾られる10日ほど前に、県庁の記者室を市川さんは訪問し、マスコミ各社への取材を自ら要請した。マスコミ受けするように工夫した連絡文書のタイトルこそは、『日曜市軒先まんがギャラリ-企画のお知らせ 三百年の伝統ある日曜市始まって以来の初試み』、そしてキャッチフレーズは『商業振興と土佐の漫画文化発信の融合』とした。 詳細コメントとしては、土佐弁を適宜画面に表現して、来店客と店主との会話を促がし、それをきっかけとした商品購入のストーリーを描くと同時に、基本は「おもてなしの心」を強調した。そして漫画王国たる土佐の漫画文化発信拠点づくり、裾野を広げる発表の場づくり、新たな観光資源化、大衆的で気取らないアート展・・・様々なキーワードが一石何鳥ものごとく散りばめられていた。 さっそく高知新聞がこれに応じてくれて、直前に自宅取材・報道してくれるなどギャラリーオープンへの準備は着々と進んでいった。これと前後して事務局となった市川さん宅には作品が次々と送られてきて、ビニールケースへの装丁、タイトル付けなど市川さんのみならず家族総出の準備作業が数日間続いた。家族の理解、協力は誠にありがたいものであった。 言い遅れたが、これら自ら用意したケース代、カラーコピー代や少なからぬこれまでの通信費用の全ては、市川さんの自腹で出されたものである。かっての自営ビニール業の人脈で、この企画をマスコミで知り、用品を寄付してくれたありがたい取引先もあった。 そして、いよいよ本番の平成18年2月5日、NHK、毎日新聞、さんさんテレビなどが取材してくれた。なかでもNHKの取材は親切丁寧を極め、店主側の反応を執拗な?ほどフォローした。そして、当日も含めなんと5回もテレビ放映をしてくれたのであった。いずれも好意的な取扱い画面であった。多くのアマチュア漫画家達もこの日のために駆けつけ、こうしたマスコミ取材に協力してくれた。 【写真】NHKの取材を受ける市川さん 思えばここにくるまで去年の8月中旬発案して以来、実に6ヶ月もの日時を要していた。天下のNHKをはじめ各マスコミにこれだけ大きく取り上げてもらえるのは、さすがに万感迫るものが市川さんの胸中にあった。この喜びは帰高していた関西在住の娘さん、お孫さんとともに味わうことが出来た。その日の日曜市の空は良く晴れていた。市川さんの胸中もやり遂げたことによる満足感で晴れ晴れとしていた。 また、市川さんは80歳とも思えない論理のしっかりした文章をこれまでたびたび高知新聞に投稿している。以下にこのまんがギャラリ-がはじまった直後の投稿記事を転記する。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ◆市川さんの投稿記事(高知新聞「声・広場」) ■漫画などの発想を結集! 栄える日曜市に 土佐の高知の日曜市は元禄3(1690)年に街路市開設が正式に認められたのを始まりとして、316年の長い歴史を誇る全国最大規模の青空市。 しかし、時代の変遷とともに衰退の兆しをも見せています。日曜市の売り上げアップにはまず来客と店側の対話からと考え、商売一途の店列に初の試みとして、芸術品ともいうべき漫画を吊り下げることを企画。平成18年2月5日、これが実現に至りました・・・[more] *この続きは、メルマガ「四万十通信202」(18.7.29)に掲載します。【登録】 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 高知市役所広報係もこの企画に注目をしてくれて、市の広報紙「あかるいまち 3月号」の表紙を、市場軒先で展示されている模様の写真が飾ることになった。それは若く美しい婦人が山内一豊、千代、愛馬オオタグロの3者を描いた作品(須崎市の柳本さんのもの)を微笑んでじっと見ている構図で、表紙の片隅にはこのギャラリ-の説明コメントが簡明に表現されていた。これは高知市全戸に配布され、周知は広く図られていった。 【写真】高知市役所広報係りから取材を受ける市川さん ◆あかるいまち 3月号 こうして様々な情報チャンネルにより、今や高知市民の大半、県民の多くがこのギャラリ-を知ることになった。また、日本漫画家協会の四国理事長を務めるTさんは、この模様を同協会のイベントコ-ナ-に投稿したところ、運良く採用されて全国のプロやアマチュア漫画家達にもこの活動の一端は伝わった。 うれしい波及効果があった。こうしたマスコミ報道を通じて市川さんの活動に感動した須崎市の染物店の若き4代目市川伸一氏が、この活動を盛り上げるため市川さんの作品をフラフに拡大して描いた作品を店主に寄贈してくれることになったのである。 3月5日日曜日、この2点のフラフ作品は中ノ橋通りの交差点部に飾られ、再度この模様は報道されて関係者が一層力づいた。これに触発されて、市場の出店者みずから横断幕や、幟の横置き展示のアイデアを考え、運営協議会に提案するような胎動も見せ始めた。 平成18年2月、高知県東京事務所にこれらの模様を伝えると、興味を示してくれ、4月以降の熟度によっては首都圏での情報発信をしても良いとの反応が返ってきた。高知県の観光資源として育つ可能性もちらちらと見え始めた。 *第18回配本は『今後の展開構想』についてを予定。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー [勝手にトラックバック] <バーチャル[こうち自然村]> ■ドキュメンタリー『それは新荘川からはじまった・・・』 <片岡正法:元県地域支援企画員> ◆第1回配本から、今回まで
by shizen100s
| 2006-07-18 18:28
| 漫画・大河ドラマ編
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